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わたしの偉人100人 VOL.23

今回の偉人は脚本家で推理小説家の野沢尚

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中学時代は映画監督志望で、8ミリカメラで自主映画を作っていたが、「映画はまずシナリオありき」との思いから、倉本聰の文体を真似て独学でシナリオを書き始め、連ドラ全盛時に『恋人よ』『青い鳥』『結婚前夜』『眠れる森』『氷の世界』『水曜日の情事と』と緻密な人物設定から登場人物たちが織り成す骨太で起伏のある独特の色のあるストーリーを作り上げ、ドラマ全盛時にキムタクとミポリンが主演した『眠れる森』は誰が犯人なのかというのが毎週の話題で当時のスポーツ新聞では競馬予想を真似て誰が本命、誰が大穴という記事が書かれ一大ブームを作った。

そしてTVドラマ脚本が評価を受ける一方で、『深紅』『砦なき者』『魔笛』『殺し屋シュウ』といった小説にも仕事の幅を広げ、その世界観を固めていき、絶筆となった『ひたひたと』、その文庫版に収録されているプロット段階の『群青』などは特別ではない普通の人間が持つ闇の部分や悪について、恐ろしいまでにリアリティを感じさせる描写でその到達した世界観を描き、その絶頂の最中の44歳になった約1ヵ月後の6月28日、「夢はいっぱいあるけど、失礼します」と知人に書き残し、事務所マンションで首吊り自殺した。

「伊丹十三が自殺した。新井将敬が自殺した。中小企業の3人の社長は牛丼を最後の晩餐にして、揃って首を吊った。~(中略)~こんな大人たちの有り様を見て子供は思うに違いない。『要するに死ねばいいんだ。追い詰められたら、死に逃げ込めばいいんだ』危険極まりない時代だ。だから言いたい。『どんな悲惨な過去に苦しめられ、どんなに罪深い過ちをおかしていようと、全てを引き受け、その人生を生きろ』」

とあるこの『眠れる森』の文庫版に併録されている文章を自殺後に読むと皮肉な部分もありますが、漱石が『坊っちゃん』で書いた赤シャツのように、彼の作品の中に登場する暗い過去や因縁を引きずる人物はきっと彼自身であり、この言葉はそんな自分自身への言葉であり、その必死の戦いがあれほどまでに彼が作る登場人物に凄まじいまでの存在感を与えていたのかもしれません…。


ひたひたと (講談社文庫)ひたひたと (講談社文庫)
(2007/05/15)
野沢 尚

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