当たり前なんだけど人間ていうのは生きている意味を必要としてる。
たとえば結婚とか子供とか仕事とか趣味とか、日本だとあんまないけど宗教とか、そういったもんを生きる意味としたりするよね。
というのも当たり前な話で、生きていく理由がないのに生きてくのって辛いし、たとえそれが強引に作ったもんであってもないよりはあったほうが生きやすいし。
なもんで、持っていない人は必死に手に入れようとするし、持ってる人は手に持ってるそれを手放さないようにするよね。
それなのにこの小説の主人公ときたら、既に持ってる生きる理由を自らの手で手放していくという、なんとも見てて気の滅入ることをしていて、しかもこれが自分から進んで手放すというわけでもなく、嫌っちゃ嫌だけど規則とか常識とかから考える手放さないとあかんよなぁ、嫌だなぁ、でも嫌だなぁと思うことも嫌だからこれも大儀のためと思おう、でもやっぱり嫌だなぁ、というような感じで生きる意味を自ら手放していくから見ていて苦しい。
そんな物語が進めば進むほど主人公の生きる意味がどんどんなくなっていくという虚しい物語なんだけど、考えてることとやってる行動が矛盾した人間フェチとしては、主人公の生き方が見ててたまらんかった。
けどこんな生き方したくないなぁ・・・。
- 関連記事
-